JABEE(日本技術者教育認定機構)とは、大学などの高等教育機関で実施されている技術者教育プログラムが、社会の要求水準を満たしているかどうかを公平に評価し、社会的要求水準を満たしている技術者教育プログラムを認定し、技術者教育の向上と国際的に通用する技術者の育成を通じて社会と産業の発展に寄与することを目的として設立された機構のことです。
建築学科では、2004年度から建築学コースとインテリアデザインコースを統合した形で、到達目標型の技術者教育プログラムを構築し、2007年度にプログラム名:建築学科(Architectural Engineering)としてJABEEに認定申請を行いました。そして、厳正な審査の経て、2008年5月8日に本プログラムに対して建築学および建築学関連分野での認定を取得しました(2007年度より適用)。
したがって、本学科の卒業生には、卒業証書とともにJABEE認定証が授与され、国際的に通用する技術者として認定されるとともに技術士資格の第1次試験が免除されます。
建築学科では、以上の伝統と教育理念を踏まえ、持続可能な社会を実現する未来志向の建築を設計・生産できる次のような建築家や建築技術者を育成することを目標としています。
すなわち、本学の建学の精神「人格の陶冶」と教育理念は、工学部の教育目標(1)の「人間性」、建築学科の教育理念、技術者像1の「豊かな人間性」として具現化され、 また、「実学教育」は、工学部の教育目標(2)の 「専門性」、建築学科の技術者像1の「総合力のある技術者」、2の「実践力のある技術者」として具現化され、さらに、「人格の陶冶」の一部は、工学部の目標(3)の「国際性」、建築学科の目標3の「チャレンジ精神」として具現化されています。すなわち、建築学科の技術者像は、工学部の教育目標、本学の建学の精神・教育理念と階層性をなしています。
建築学科では、目標とする技術者を育成するために次のような3つの教育方針を掲げています。
本学科の学生が卒業までに身につけるべき具体的な知識・能力として、次の学習・教育到達目標を定め、これを達成するための授業科目を履修し、所定の単位を修得した学生に卒業を認定し、学士(工学)の学位を授与します。
豊かな人間性と総合力のある技術者として(A)~(D)の能力を身につける
(A) 環境問題を理解し意匠設計ができる(意匠設計力) 【意匠設計科目群】
環境問題がわかる | 建築概論、居住環境学、建築環境Ⅰ、Ⅱ・同演習 |
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都市計画がわかる | 建築法規、都市計画、建築史Ⅰ、建築史Ⅱ、建築デザイン論 |
課題設定ができる | 建築設計演習Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、建築設計・集中演習Ⅰ、Ⅱ、卒業研究 |
課題解決ができる | 建築設計演習Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、建築設計・集中演習Ⅰ、Ⅱ、卒業研究 |
構成表現ができる | 建築設計演習Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、建築設計・集中演習Ⅰ、Ⅱ、卒業研究 |
課題を完成できる | 建築設計演習Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、建築設計・集中演習Ⅰ、Ⅱ、卒業研究 |
(B) 建築計画を理解し図面作成ができる(図面作成力) 【建築計画科目群】
建築計画がわかる | 建築構法、建築演習、建築計画Ⅰ、Ⅱ、都市計画 |
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空間を認識できる | 建築図法、造形演習、建築演習、建築CAD・CG演習 |
エスキスができる | 建築設計製図、建築設計演習Ⅰ |
図面作成ができる | 建築基本製図、建築演習、建築設計製図、木造住宅設計、建築設計演習Ⅰ、建築CAD・CG演習 |
(C) 構造設計を理解し構造計画ができる(構造計画力) 【構造設計科目群】
構造設計がわかる | 静定力学・同演習、材料力学・同演習、構造演習、構造設計Ⅰ、Ⅱ・同演習、建築材料、建築実験 |
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断面設計ができる | 材料力学・同演習、構造演習、構造設計Ⅰ、Ⅱ・同演習、建築地盤工学 |
構造計画ができる | 建築構法、構造演習、構造設計Ⅰ、Ⅱ・同演習、構造設計Ⅲ、建築地盤工学、卒業研究 |
(D) 構造力学を理解し構造解析ができる(構造解析力) 【構造解析科目群】
構造力学がわかる | 静定力学・同演習、材料力学・同演習、不静定力学Ⅰ、Ⅱ・同演習、構造演習 |
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応力解析ができる | 静定力学・同演習、材料力学・同演習、不静定力学Ⅰ、Ⅱ・同演習、構造演習 |
安全確認ができる | 材料力学・同演習、構造演習、不静定力学Ⅰ、Ⅱ・同演習、構造設計Ⅰ・同演習、構造設計Ⅲ |
実践力のある技術者として(E)~(G)の能力を身につける
(E) 建築倫理がわかる(建築倫理理解力 )
【建築倫理科目群】
倫理問題がわかる | 建築概論、工学倫理 |
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建築倫理がわかる | 建築概論、建築施工、建築生産、職業観と倫理 |
法令を順守できる | 建築法規、建築施工、建築生産、職業観と倫理 |
(F) 生産管理がわかる(生産管理理解力) 【建築生産科目群】
建築材料がわかる | 建築構法、建築材料、建築実験 |
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生産管理がわかる | 建築構法、建築施工、建築生産、建築地盤工学 |
(G) 環境設備がわかる(環境設備理解力) 【環境設備科目群】
建築環境がわかる | 居住環境学、建築環境Ⅰ、Ⅱ・同演習、建築実験 |
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建築設備がわかる | 建築設備Ⅰ、Ⅱ・同演習 |
チャレンジ精神のある技術者として(H)、(I)の能力を身につける
(H) チームで課題解決ができる(課題解決力) 【体験的教育科目群】
チームで協力できる | 基礎ゼミ、建築演習、構造演習、建築設計・集中演習Ⅰ、Ⅱ 建築実験、卒業研究 |
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アイデアを提案できる | 基礎ゼミ、建築演習、構造演習、建築設計・集中演習Ⅰ、Ⅱ |
(I) 新しいことに挑戦できる(チャレンジ力) 【挑戦的教育科目群】
積極的に取り組める | 基礎ゼミ、建築演習、構造演習、建築設計・集中演習Ⅰ、Ⅱ、建築実験 卒業研究ゼミナール、卒業研究 |
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国際交流ができる | 建築設計・集中演習Ⅰ、Ⅱ |
プレゼンができる | 構造演習、建築設計演習Ⅱ、Ⅲ、建築設計集中演習Ⅰ、Ⅱ、卒業研究 |
以下は、建築学科が目標とする技術者像と学習・教育到達目標について解説したPPTスライドです。
以上の学習・教育到達目標は、建築学科の授業科目を履修し、卒業要件を満足するように単位を取得していくことで達成できます。
以下の表は、建築学科の学習・教育到達目標とカリキュラムで開講されている授業科目との関係を示しています。表では、二重線以上の科目が主要授業科目、二重線以下の科目がその関連(+α)科目となっています。また、主要授業科目の内、背景ピンクの科目は建築学コース・インテリアデザインコースの必修科目、背景ブルーの科目は建築学コースの必修科目です。
以下の表は、建築学科の学習・教育到達目標とJABEE基準1(2)の(a)~(i)の目標との関係を示しています。背景が灰色のプログラム目標は主体的に対応する目標(◎)を示し、背景白色のプログラム目標は付随的に対応する目標(◯)を示しています。また、subの目標は、主要授業科目以外の関連(+α)科目を示します。なお、重みの%は、Excelの達成度点検表で取得率とスコア(GPA)を計算するためのものです。
以下の表は、建築学科の学習・教育到達目標と「UNESCO-UIA建築教育憲章」が求める教育目標との関係を示しています。
建築学科の学習・教育到達目標とUNESCO-UIA教育目標との対応表
建築学科では、セメスタごとの学習・教育到達目標の達成度を以下の達成度点検表(Excel)を用いて確認します。
この達成度点検表は前期・後期の在学生ガイダンス後に作成します。 そして、近大UNIPA(Universal Passport)の「マイステップフォロー」に各期ごとの「My Campus Plan」を作成し、その添付ファイルとして提出することを義務付けています。
建築学科では、学生が学習・教育目標を達成するために、様々な学習支援を行っています。
以下では、建築学科で行われている学習支援についてまとめています。
建築学科では、学生が希望の就職先に就職できるように様々な支援を行っています。
以下では、建築学科独自のキャリア教育についてまとめています。
建築学科では、社会人のマナーとして最低限のものは学生時代に身につけてほしいという趣旨から、以下のような基本的なマナーを定めています。
建築学科では、学生が学習・教育目標を達成するために、よりよい授業を提供し、効果的な学習支援が行えるよう常に教育改善を行っていく仕組みを整えています。
以下では、建築学科の教育改善のしくみについて、組織としての教育改善、個々の教員としての教育改善方法(PDCA)を紹介しています。
建築学科の教育改善システム
建築学科の教育改善システム図
2024年度JABEE計画
以下では、建築学科内で定めている学科内規を示しています。
建築学科各会議の規約
編入生、転学部生、転学科生認定会議に関する学科内規定
臨時試験の追試験に関する学科内規定
臨時試験等の不正行為に関する学科内規定
建築学科では、教員の教育力向上を目指して、様々な試みを行っています。
以下では、建築学科のFDへの取組について紹介しています。